外国人向け特定技能制度完全ガイド(2024年最新版)

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こんにちは。申請取次行政書士の藤本です。

「日本で働きたいけれど、在留資格の仕組みがわからない」「特定技能は技能実習より良いの?」「実際の給与や生活はどうなるの?」――こうした疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2019年4月にスタートし、2024年現在さらに充実が図られている特定技能制度について、皆様の疑問や不安に答えながら、詳しくご説明していきます。

1. 特定技能制度の基本と魅力

特定技能は、単なる「外国人労働者の受入れ制度」ではありません。日本政府が、深刻化する人手不足に対応するため、専門的な技能を持つ外国人材を「共に働く仲間」として受け入れるために作った制度です。

なぜ今、特定技能なのか

日本の労働市場は大きな転換点を迎えています。少子高齢化による人手不足は、もはや一時的な問題ではなく、構造的な課題となっています。そのため、技能実習制度では対応できない「より長期的な人材確保」と「キャリア形成」を可能にする制度として、特定技能が導入されました。

特定技能の2つの区分と、その違いの重要性

特定技能1号

「特定技能1号」は、多くの方にとって最初の入口となります。一定の専門性と技能があれば、最長5年間、日本で働くことができます。

具体例:ベトナム出身のAさん(25歳)は、特定技能1号で介護施設に就職。日本語能力試験N4を持っていましたが、介護の経験はありませんでした。しかし、介護技能評価試験に合格し、現在は施設での実務経験を積みながら、日本語能力の向上にも取り組んでいます。

特定技能2号

「特定技能2号」は、より高度な技能を持つ方向けの在留資格です。在留期間の更新に制限がなく、家族の帯同も認められるため、長期的なキャリア形成が可能です。

具体例:フィリピン出身のBさん(35歳)は、10年の建設業界での経験を活かし、特定技能2号として日本の建設会社で働いています。家族と共に日本で生活しながら、現場監督として重要な役割を担っています。

2. 就労可能分野と実際の仕事内容(2024年現在)

特定技能で働ける分野は、実は想像以上に幅広く、様々なキャリアパスが用意されています。

介護分野の例

  • 実際の業務:入浴介助、食事介助、レクリエーション支援など
  • 必要なスキル:基本的な介護技術、コミュニケーション能力
  • 給与目安:月給20万円~25万円(地域・経験により異なる)
  • キャリアパス:介護福祉士資格取得→より専門的なケア担当→チームリーダー

外食業の例

  • 実際の業務:調理補助、接客、店舗運営補助など
  • 必要なスキル:基本的な調理技術、接客マナー
  • 給与目安:月給18万円~22万円(地域・経験により異なる)
  • キャリアパス:調理師資格取得→専門調理師→店長候補

製造業の例

  • 実際の業務:製品組立、品質検査、機械操作など
  • 必要なスキル:基本的な機械操作、安全管理知識
  • 給与目安:月給20万円~30万円(地域・経験により異なる)
  • キャリアパス:技能向上→専門工程担当→工程管理者

3. 申請から就労までの具体的なステップ

特定技能での就労は、しっかりとした準備と計画があれば、決して難しいものではありません。以下、時系列に沿って具体的に説明していきます。

準備段階(3~6ヶ月)

1. 日本語能力の確保

多くの方が不安に感じるのが日本語です。しかし、求められるのは「日常会話と仕事に必要な基本的なコミュニケーション」です。

必要な日本語レベルの具体例

  • 「おはようございます」「ありがとうございます」などの基本的な挨拶
  • 「〇〇が終わりました」「〇〇はどこですか?」などの簡単な報告や質問
  • 作業手順書の基本的な理解
  • 危険表示の理解

2. 技能試験の準備

各分野で必要とされる基本的な技能の試験があります。技能実習2号を修了している場合は免除されます。

試験対策のポイント

  • オンライン学習教材の活用
  • 過去問題の練習
  • 実技試験がある場合は、母国での実務経験を積む

申請段階(2~3ヶ月)

1. 企業とのマッチング

求人情報を確認し、希望する企業にアプローチします。多くの場合、以下のような流れになります:

  • オンライン面接
  • 条件の確認と調整
  • 内定
  • 雇用契約の締結

2. 在留資格認定証明書の申請

必要書類をすべて揃えて申請します。この段階での不備は審査の遅れにつながるため、特に注意が必要です。

4. 日本での生活と権利

給与と生活費の実際

一般的な月収支例(東京都の場合):

【収入】
基本給:22万円
残業手当:3万円(20時間の場合)
総支給額:25万円

【支出】
家賃:6万円(会社の住宅補助がある場合も)
光熱費:1万円
食費:4万円
通信費:1万円
交通費:1万円
保険料:3万円
その他:3万円
計:19万円

手取り:20万円程度
貯金可能額:1~2万円程度

社会保障制度の利用

日本の充実した社会保障制度を利用できることは、特定技能の大きな利点です。

具体的な保障内容

  • 健康保険:医療費の7割が保険でカバー
  • 厚生年金:将来の年金受給権の確保
  • 雇用保険:失業時の保障
  • 労災保険:仕事中の事故への補償

転職の自由

同じ分野内であれば、より良い条件の職場への転職が可能です。ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 離職後3ヶ月以内に次の就職先を見つける
  • 新しい会社との契約内容を確認
  • 在留資格の手続きを適切に行う

5. 特定技能ならではのサポート体制

特定技能制度の大きな特徴は、手厚いサポート体制です。受入れ機関(企業)には、以下のようなサポートが義務付けられています。

来日時のサポート

  • 空港への出迎え
  • 住居の手配と契約補助
  • 銀行口座開設のサポート
  • 携帯電話契約のサポート
  • 生活必需品の購入補助

日常生活のサポート

  • 日本語学習機会の提供
  • 医療機関への同行(必要な場合)
  • 地域住民との交流機会の提供
  • 緊急時の24時間対応体制
  • 相談窓口の設置

6. よくある心配とその解決方法

日本語に自信がないのですが、大丈夫でしょうか?

心配はご無用です。多くの企業では、来日後も継続的な日本語学習支援を提供しています。また、職場では、やさしい日本語を使ったコミュニケーションが一般的です。

実際の労働条件は求人票通りですか?

特定技能制度では、日本人と同等以上の給与が法律で定められています。また、労働基準監督署による監督も厳格です。不当な扱いがあった場合は、支援担当者や行政書士に相談できます。

将来のキャリアアップは可能ですか?

もちろんです。多くの企業では、能力向上に応じた昇給や昇進の機会が用意されています。また、特定技能2号への移行や、より専門的な資格の取得支援を行う企業も増えています。

7. 申請時の注意点とアドバイス

書類準備のコツ

  • パスポートの残存有効期間の確認
  • 証明写真は規定サイズを厳守
  • 原本と写しの区別を明確に
  • 翻訳文書の正確性確保

面接対策

  • 志望動機の明確化
  • 基本的な日本語での自己紹介の準備
  • 今後のキャリアプランの説明
  • 日本の職場マナーの基礎知識

お問い合わせ

特定技能制度について、さらに詳しい説明や個別のご相談をご希望の方は、以下のウェブサイトからお気軽にご連絡ください。初回相談は無料で承っております。


*本記事は2024年現在の情報に基づいて作成されています。制度の詳細は随時更新される可能性がありますので、最新情報は出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。

*具体的な給与例や金額は、地域や企業によって異なります。これらは一般的な例として参考にしてください。

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